10月15日から11月10日まで愛知県豊川市立千両(ちぎり)小学校で絵本展が開催中です。
ラテンアメリカにつながる人びと、子どもたちと日本人がなかよく暮らしていくための活動の一環として、昨年、ラテンアメリカに関する子どもの本の展覧会を開きました。その後、この活動を実際に子どもたちのいる場に持っていきたいと考えていたところ、機会を得て豊川市立千両小学校で展示することになりましたので、その様子をご紹介します。
千両(ちぎり)小学校は外国籍の子どもたちも多く通い、その大半はブラジルやペルー、ボリビアなどラテンアメリカにつながる子どもたちです。小学校の読書週間の期間に合わせて、本の展示をすることになりました。
11月10日(土)の午前中(9:00~11:40)は学校公開日なので、保護者の方や地域の方、この催しに興味をもたれた方は、見学することが可能です。絵本展の会場は「アミーゴ教室」になります。普段から外国籍の子どもたちと活動している、近隣のみなさまにご覧いただければ、と思います。
今回は小学校ということで、対象年齢に合わせ絵本を中心に日本で刊行されている本77冊と、原語の本29冊、あわせて106冊を展示しています。
展示中の10月18日には会員が出張授業にうかがいました。
<出張授業のようす>
まずは国際学級での授業。『Esto no es』を原語で読むと、スペイン語やポルトガル語で答えてくれる子どもたち。なごやかな雰囲気のなか、環境保護を訴える絵本『アマゾン』をポルトガル語と日本語で読み、遠くブラジルの熱帯雨林に思いを馳せました。子どもたちは教室に並べてある原書絵本に興味を持ってくれたようでした。
次の時間は、4年生全員と国際学級の6年生の合同授業。『わたしはせいか・ガブリエラ』(東郷聖美作 福音館書店)の日本語部分を千両小学校の先生、スペイン語部分を会員と、一緒にバイリンガルで読むと、親しみを持って絵本に見入ってくれました。アマゾン民話『ガラシとクルピラ』(福音館書店)を読んだあと、ブラジルの作家がお話を書いた、もう一つのクルピーラの本を見せると、その姿に興味津々。クルピーラの守るアマゾンの密林と前の時間に読んだ『アマゾン』の絵本のメッセージを重ねて、授業を終えました。
両時間とも、最後は展示している本の説明をざっとして、子どもたちに自由に本を手にしてもらいました。
普段、見慣れない本がたくさんあり、原語を聞いたことも珍しかったらしく、日本の子どもたちがラテンアメリカに興味を持ってくれた様子が見られて、うれしかったです。
読書週間の間、担当の先生は『ペドロの作文』(アリス館)を6年生に読み聞かせをしたり、インターナショナルクラブの子どもに『びくびくビリー』(評論社)を読んで、「心配引き受け人形」を作ったりするそうです。
(右写真) 『ガラシとクルピラ』の絵本を熱心に聞いてくれた子どもたち。貸出したパペル・ピカドや絵地図が教室に飾られています。
今後、ご希望の学校、団体等には、このように図書セットの貸出しもしていきますので、ご興味がある方は会までご連絡ください。